- 写真集を贈る日
- 2011.09.30 Friday
- category: event
-
10月1日は「写真集を贈る日」だという。知らない人も多いと思うんだけれど、それも仕方がない。なぜなら、今年からそういうことになったのだから。ボクが写真集を贈る日に写真集を贈るかどうかは分からない。バレンタインデーとは違って、誰から誰に写真集を挙げたらいいのか。何を目的に挙げるのか。その辺があいまいなのである。そんなの自分で考えろよ、って言われるかもしれないけれど、だったらその日にあげる必要もないんじゃないか・・・。あまのじゃくなボクはそんなことを思ってしまう。じゃあ、「写真集を贈る」行為に批判的なのかといえば、もちろんそんなはずもなく、どんどん贈るべきだと思っている。そして、その行為のすばらしさを知ってもらうために、今回のようなイベントが行われることには、とても意味があると思っている。日本の写真文化のためにも、赤々舎や青玄舎には本当にがんばってもらいたい。応援のため、ボクはしっかり写真集を買わせていただきますwさて、自分のことを振り返ってみると、これまでにもよく写真集をプレゼントに使って来た。知り合いが会社を辞める時、友人が結婚した時、そんなときにはすかさず写真集をさしあげたりする。単純にボクの趣味の1つが写真集集めであることもあるけれど、何より、写真集という媒体が、プレゼントに適しているからだ。特別な知識がなくても思い思いに楽しめるし、メッセージも込めやすい。ボクのやっている雑誌『はれ予報』の9月号で行った写真特集でも、「贈り物に適した写真集」をテーマに何冊か紹介している。そこでも取り上げているけれど、やっぱり花をテーマにした写真集はしっくりくる。代表的なものはマイロヴィッツの『Wild Flowers』。花のある風景を捉えた写真集だけれど、中には花柄の洋服を着た人の写真なんかも混じっていて、ストレートに花を押し付けないところが心地いい。昔の本だけれど、最近、限定でスーパーラボからレイアウトを変えて発売された。一方、もう少し深い関係なら、エロティックな花の写真集を選ぶのもいいかもしれない。アーヴィング・ペンとか、メイプルソープとか。雑誌『写楽』の編集長だった島本脩二さんは、自分の作った写真集をお歳暮だったか、お中元だったかで配ったという話をどこかで読んだ。石川賢治の『月光浴』だったかな。これもなかなかのナイスアイデアではなかろうか。もし、百貨店のお中元のコーナーに写真集が並んでいたら、ボクも選んでしまうかもしれない。自分のお歳暮に気の利いた写真集が送られて来たら、それはそれで嬉しいと思う。今年に限っていえば、贈る写真集は明るい内容のものがいい。震災で暗くなった気持ちを、少しでも明るくしてくれるようなもの。できれば、日常をテーマにしながらも、前向きになれるようなやつ。そして、震災の前の日本の姿を記憶に留められるものならなおさらいい。選択肢はそれなりにあるけれど、本命はやはりこれだろうか。(写真本24h、シャシンボン ニジュウヨンエイチ)なんだよ、宣伝か!と思った人もいるだろう。そう、単なる宣伝ですが、何か?(キッパリ開き直る)でも、本当にプレゼントにはいい本だとおもうのだもの。そして、もう一冊。心の癒しを求めるのであれば、やはりこの本もおススメせねばならないだろう。三好和義仏像写真集『極楽園』。・・・・・・・・・だから、宣伝だってばwでもね、この本も、本当にいいのですよ。ぜひ一度手に取っていただたきたいなと。ちなみに、ボクに写真集を贈りたいという方は、遠慮しないように。ボクは何でも受け入れますよ。もちろん、好き嫌いはあるんですから、高額本を贈ろうと思う場合には、一度、ヒアリングをしていただいた方が、効用が高まるとは思うけれど。いまなら、フライングブックスで売っているヒステリックスの松江泰治とか、狙い目かもしれませんね〜。ええ、持ってませんwちなみに、ずっと欲しがっていた石内都の『Mother』(初版)は、偶然にも本日格安でゲットしてしまいました。なので、こちらは避けていただければとw
- comments(0), trackbacks(0), -
- 静かなる浸食
- 2011.09.28 Wednesday
- category: 病気
-
肩に白斑を見つけたのは数日前のことだった。8月に病院で診察をしてもらって以降、病気の進行は小康状態にあると思っていた。白斑が集中いている手と足には、毎日、ステロイド剤を塗っている。しかし、そのかいもなく、一度白くなってしまった色は一向に戻る様子を見せない。既にその部分にあったメラニン生成細胞は全滅してしまったのだろう。この9月は、白斑という病気の始末の悪さを実感した1ヶ月だった。それでも、減らないにしても、増えなければまだましだと思っていた。現段階で白くなったところは諦めるとして、これ以上進行しないのならいいじゃないか。そんなことを考えたりもした。しかし、その考えは甘かった。白なまずは、知らず知らずのうちに、ボクの体の中を泳ぎ回る。気がつけば、手と足を泳ぎ抜け、肩にまでその触手を伸ばして来た。その動きはいつか顔にまで達し、ボクは斑人間になってしまうことだろう。そんなことを心配しても、何もいいことはないのだけれど、気がつけば、白くなった部分を、鏡越しに見つめる自分がいる。あとどれだけボクに猶予はあるのか。そんなことばかりを考える。静かなる恐怖。ボクは、今の姿を少しでも写真に残しておきたい。そして、変化していく過程も。その自分を題材にした定点観測は、きっと自分のためになるだろう。もしかしたら、ちょっとだけ、人のためになるかもしれない。誰に撮ってもらおうか。一人に任せてもいいし、
毎年人を変えてみるのもいいかもしれない。そして、10年経ったら写真展を開きたいとも思う。そんなことを、ボクはいま、真剣に考えている。我こそはという写真家の方、ぜひご連絡を。ただし、審査は厳しいですけどねw - comments(0), trackbacks(0), -
- ダナー マウンテンライト
- 2011.09.27 Tuesday
- category: 雑談
-
最近、ダナーを履いている。
そう、アウトドアブーツのダナー。
大学生だったころ、アメカジを愛して止まなかったボクは、
レッドウイングのエンジニアブーツ、アイリッシュセッターに加え、
ダナーのブーツをよく履いていた。
モデルは、ダナーライト2。
ゴアテックスを使ったダナーの代表作、ダナーライトの亜種で、
スムースレザー×スエードが特徴のラインだった。
社会人になり、履く機会が減ったこともあり、
何年か前にブーツすべてをフリマで売ってしまった。
履かなくなってから何年も売らずに持っていたけれど、
今でいうところの断捨離といったところか、
引越しを機に手放してしまったのだった。
なのに、また、買ってしまった。
きっかけは、色々あるけれど、その一つが今年の土門拳賞の授賞式。
壇上に上った石川直樹さんの足に、なつかしのダナーライトを見た。
スーツ姿に履きこまれたダナーライト。
本人は「これしか履くものがないだけですよ」と言っていたけれど、
ボクにはそれがなんともカッコよく見えたのだ。早速、ABCマートをのぞくと、以前ボクが履いていたライト2はなく見慣れないモデルがいくつか目についた。ダナーライトも、ボクが知るものとはレザーの色が変わっていた。どちらにしても、またダナーライトを買ってしまったらあまりに進歩がない。石川さんに会ったときに履いていたら、すごく気まずいし。ということで、当時から憧れていた最高峰「マウンテンライト」を選択。学生時代のボクには明らかに贅沢だが、いまならまぁありでしょう。スペック過多なのは当時も今も変わらないけれどw久々に履いたアウトドアブーツ、マウンテンライト。スニーカーに慣れた足には、しばらく苦痛が伴うだろうと覚悟していた。しかし、これが驚くほど履きやすい。履きはじめから足に馴染み、靴擦れもまったくなし。ダナーライトよりも断然履きやすいという印象だった。さすが最高峰。それとも、ボクの足が鈍感になったのだろうか。というわけで、購入数日後には山を攻めた。目指せ石川直樹ということで、まずは富士山から。という気はさらさらない。富士山は大学時代に登って懲りている。そもそもボクがしたいのは、登山ではない。ボクがやりたいこと、それは靴にアジをつけることなのだ。水たまりとか、泥道とかをガンガン歩きたいだけなのだ。目指したのは御岳山。犬の健康なんかを祈願できる神社のある山だ。(なぜだか猫の祈願はできない模様。差別だ!)北村西望作の狛犬。ミョーに足が太く、筋肉隆々。アンバランスだけどなんだかカッコいいのである。それにしてもホントに山ガールであふれてるのね、日本の山は。男子には「つっかけ短パン」みたいな人がけっこういたけれど、女子の場合は、バリバリにキメてる人が多い。海外にはああいうカッコウの人はあまりいないようだから、これは輸出産業になるんじゃないかと思ったり。
さてさて、御岳山は、富士山を、制した、経験の、ある、ボク、には、物足り、なかっ、た(ゼィゼィ)。息は、キレ、て、な、いよ、けっ、して(ゼィゼィ)。次はイヴォン・シュイナードよろしくヨセミテでも攻めるかな。なーんて思っている。だって御岳山ではアジがでないんだよね、靴に(爆)。 - comments(0), trackbacks(0), -
- 写真の9月 その3
- 2011.09.22 Thursday
- category: event
-
今日、一流ファッション誌『SPUR』11月号が会社に送られて来た。理由はこれ。SPURでおなじみの写真家による誌上写真展201111人のフォトグラファー、11枚の「SMILE」という企画に、なんと、なんと、秦淳司さんによる江頭2:50が、なんと、出たー!!!!!にも掲載されている「取って、入れて、出す」の「出す」です。まさかエガちゃんの写真がシュプールに載るとはね。シュプールといえば、前号の「岸辺露伴 グッチへ行く」で売り切れ店続出の超人気女性誌ですから。きっと、次はエガちゃんモデルによるファション特集を組んで来るだろうなぁ。うちの雑誌でも企画していたけど、シュプールさんにお譲りいたしましょう。ちなみに、この11月号ではロンドン特集をやっておられます。おまけもポールスミスの花柄マルチポーチ。秦さんは誌面では向井理さんを撮ってます。ぜひ手にとっておくんなまし。さらに、もう一冊、届いたのがこちらの写真集。高木こずえさんの新作『SUZU』(信濃毎日新聞社)。生まれ育った彼女の原点、故郷の諏訪を撮った、という説明がされるのだろうけれど、それだけでこの本を理解するのは難しい。高木さんらしく、木村伊兵衛賞受賞の前作を踏襲することもなく、でも、やっぱり高木さんの写真だなぁと思わせるところが不思議である。これはどんなに言葉で説明しても分かってもらえないだろうなぁ。とにかく面白い一冊でした。こちらもぜひご覧頂きたいなと。ちなみに、高木さんは『写真本24h』では明日へとつながる早朝5時を撮影してくださっている。メンバー選定を行っていた昨年時点での、最新の木村伊兵衛賞作家ということで、将来に続く時間帯をとっていただきたいと考え、依頼した。依頼した際、ボクの頭の中には「明るい明日が見えている写真」を撮ってもらいたいというイメージはあったけれど、直接、口で説明することはなかった。にも関わらず、上がって来た写真はイメージ通り、いや、イメージを越えた美しい1枚だった。こちらもぜひ見ていただきたい。さて、前に紹介しているけれど、明日からアクシスで「写真家写真・チャリティ販売」のプレビューが始まる。販売は土日。連休中だし、今回もすごい人出になりそう。んでもって、「東京フォト」も明後日から。去年、『写真本24h』のために、新しい才能を探そうと、スタッフとともに会場を何度もグルグル回ったのを今も思い出すなぁ。今年は純粋に楽しもうと思う。明日のオープニングに顔を出そうと思うので、見かけたら声をかけてください。
- comments(0), trackbacks(0), -
- portraits & camera
- 2011.09.14 Wednesday
- category: オススメ書籍など
-
初めて手にしたカメラはなんだっただろうか。京セラのサムライだったか、マリオ・ベリーニデザインのDL100か、それともイームズデザインのプラロイドカメラ、SX–70、いや、Auto boy SEか・・・・思い起こせばツァイスレンズのついた無名のアンティークカメラだったと思う。そのカメラでボクは中学校のときに好きだったあーちゃんの写真を撮った。といっても、中学時代に撮ったのではなく、それから何年も経ったあと。浪人時代のことだったはずだ。なぜかはよく覚えてないけれど、昔の仲間で集まったときのことだった。最初の1枚がどんな絵だったかが記憶にあるくらいだから、そのときでもまだ少し、彼女のことが好きだったのかもしれない。とにかくすごくドキドキしながらシャッターを押したのを覚えている。そして、現像から戻って来たその写真は、真っ白だった。頭の中にははっきりとファインダー越しにのぞいた絵が焼き付いているのに、手にした写真にはうっすらと彼女の輪郭線を確認できるだけだった。すごくガッカリした。とにかく落ち込んだ。そのときのボクは、露出という言葉の存在すら知らなかったのだからその結果も当然のことなんだけれど、当時は「写るんです」を選ばなかったことを心から後悔したのだった。ずっと探していた本を手に入れた。『portraits & camera1949-2009』。Hans Eijkelboomという写真家が撮ったこの本の存在を知ったのは取材で訪れたマーティン・パーの自宅でのことだった。「最近手に入れた本で、何かいいものを教えてください」そう問いかけると、彼は一旦別室に消え、それから何冊かの本を手にし現れた。「最近のオランダの写真集が面白いんだよ。ちょうど、60年代ごろの日本の写真集を見ているような面白さがある」『portraits & camera1949-2009』はそのときに見せられた一冊だった。毎年1歳づつ歳をとっていく自らのポートレイトと、その年に発売されたカメラの広告を組み合わせるという写真集。その仕掛けに、ボクはすぐに虜になった。ほかにも何冊か見せてもらったけれど、この本が最も印象に残った。そして、『portraits & camera1949-2009』が「マーティン・パーが選んだここ10年の優れた写真集30冊」に選ばれたことを知ったのは、帰国してからのことだった。となれば、どうにかして手に入れたい。でも、どんなに探しても日本国内で見つけることはできなかった。限定1000部という部数は、けっして多くはないけれど、写真集にあってはとりわけ少ないわけでもない。それでも、国内のどのお店にも扱いはなかった。そんな本が、いまボクの本棚に並んでいる。友人が海外で見つけ、取り寄せてくれたのだった。この本の中には美しい景色があるわけではないし、ポートレイトに圧倒的な存在感があるわけでもない。あるのはただ1つ、編集の面白さ。邪道かもしれないけれど、ボクはそういう本に惹かれてしまう。ボクが最初に買った一眼レフカメラ、ニコンF3と一緒にパチリ。残念ながら、ボクの生まれた年のカメラは、F3ではなかったけれど。
- comments(0), trackbacks(0), -
- 写真の9月 その2
- 2011.09.13 Tuesday
- category: event
-
参加していただいている秦淳司さん。その作品「江頭」がなんと名古屋で展示されることになった。『写真本24h』のために撮影された江頭2:50さんの写真。東京ではオン・サンデーズでの写真展で展示をしたけれど、それ以外での展示は初めて。場所は愛知県芸術文化センター アートスペースX期間は9月14日〜25日後輩である秦義之氏の仲間たちによる展示で、秦淳司さんはゲストとして出展するという。地元のみなさん、ぜひご訪問くださいませ。すごいよ、秦さんの撮った「江頭」は。でもって展示を見たら写真集を買おう。買いあさろう。買い貯めようw
- comments(0), trackbacks(0), -
- 写真の9月
- 2011.09.10 Saturday
- category: event
-
嵐が去った。といっても、豪雨をもたらした台風のことではない。もちろん、ARASHIこと嵐のことである。ここ数ヶ月、ブログで問いかけ続けたけれど、コンサートチケットは、結局手に入らなかった。ただ手に入らなかっただけではない。嵐のファンからは完全に無視された。シカトである。イジメ用語でいえばいわゆる「透明人間」というやつだ。こちらの執拗なまでの挑発にも関わらず、レスポンスはなかった。そして、嵐のコンサートに行けなかった例の女性は、抜け殻のようになってしまった。声をかけてもすぐには反応しない。口は半開き。そしてやはり顔は赤かった。まさかこっそりビールを飲んでいるわけでもあるまいに。コンサートの数日前、ボクは彼女に提案した。台風を理由に延期になったコンサート。振替公演が開催されることになっている日曜日に、ボクらがARASHIになっちゃうyo!Hey yo! チェケラッチョと。そして、こちらも完全にシカトされる。ボクのラップアレンジも軽く流された。アレンジが古かったのか。いや彼女も十分にイーストエンド+ユリ世代だ。「こんなことなら、ラップ風にしなけりゃよかった」と悔やむボク。気を取り直し、んじゃ今日は仕事がんばろうぜぃ!と、空元気で切り出そうした瞬間、彼女は「今日はグッズを買いに行くから」と冷たく返す。鬼!鬼!赤鬼!ってか、コンサート行けないのに、グッズを買いに行くのかよ!!そう、彼女は行くのだ。しかも何万円も使う。「コンサートに行かないのに、グッズ買ってどうすんの?」そう問いただすと、彼女は静かにこう答えた。「使わない」聞けば買ったグッズは袋に入ったまま、部屋の隅で長期保存されることになるという。「コレクターみたいなものよ」と彼女は言うけれど、コレクターの端くれであるボクから言わせれば、それはコレクターの行動とは似て非なるものだ。むしろ「買い物依存症」の人の行動に近い。何かがおかしいぞ、嵐ファン。そう声に出して言いたいが、どうせシカトされることだろうと思いぐっと飲み込む。いつかボクが嵐のメンバーに入ったときには、逆にシカト仕返してやるからな。ボクは心にそう誓うのだった。そう、ボクは嵐の左から3番目の座を狙っているのだ。さて、ブログもここから本題に入る。ちなみに、ここまでの話とは全く関係のない話だ。何を隠そう、9月は写真の月なのだ、という急な展開に驚くだろう。それでもボクは写真の話がしたい。9月1日発売の超一流カルチャーマガジン『Pen』では紹介された。まさに写真の月のスタートに相応しい幕開け。これをきっかけに、9月は写真一色に染まることになる。恵比寿にある東京都写真美術館では、超おススメの写真展、鬼海弘雄さんの「東京ポートレイト」が始まっている。先日、アーティストトークの日に顔を出したのだけれど、この話が猛烈に面白い。9月23日(15時〜)にももう一度あるようなので、タイミングの合う方はぜひそこを狙うといいと思う。ちなみにボクが行った日には、『写真本24h』にも参加していただいた都築響一さんがいらしていた。少し立ち話ができて良かったっす。さらに、さらに、昨日からボクにゆかりの写真家の方々の写真展が始まっている。まずは、六本木ミッドタウンにあるフジフィルム スクエアで開催中の三好和義さんの写真展「帝のまなざし 京都の御所と離宮」。桂離宮や京都御所を撮影した美しい写真の数々を見ることができる。三好さんとは2年間に渡って、京都、奈良、東北、関東と巡り、仏像写真を撮っていただく連載を担当させていただいた。その内容は写真集『極楽園』としてまとめられている。現在、国立博物館で開催中の「空海と密教美術」展のために上京されている数々の美仏も掲載されているこの本。みうらじゅんさんの本棚にもある。柳本浩市さんのコレクションにも入っている。アマゾンでは既にプレミアがついているけれど、日経BP書店に在庫が少しあるので、そちらならまだ定価で買える。いまがチャーンス(宣伝)。話を続けよう。谷中にある「Scai The Bathhause」では、『写真本24h』に参加していただき、さらに、今も『Momentum』『はれ予報』で連載をお願いしている石川直樹さんの写真展「8848」が開催中だ。タイトルになっている「8848」とは、先日、石川さんが先日登頂に成功したエベレストの標高。その名の通り、登頂時に撮影した写真が展示されている。石川さんの写真は単にボクらが見ることができない世界を見られる喜びがあるのはもちろんのこと、写真としてのクオリティも極めて高い(当然だけど)。今回も本当に発見の多い写真展だった。かなりいいよ。見に行ったら、ついでに愛玉子(オーギョーチ)も楽しもう。この他にも9月は写真イベントが目白押し。「TOKYO PHOTO 2011」(9月23日〜25日)「写真家の写真・チャリティー販売」(9月22日〜25日) など詳しくは『はれ予報 9月号』写真特集を見よう!そしてこの流れの〆になるのが10月1日の「写真集を贈る日」。これに関しては今後詳しく書くが、版元6社が共同で、写真集を贈る日を設定し、写真界を盛り上げようとがんばっている。既に書店などで展開が始まっているので知っている人もいるかも。プレゼントにぴったり。在庫もなくなりつつあるので、急ごう(宣伝)。なんなら、ボクがもらいますけど。
- comments(0), trackbacks(0), -
- うつうつとした1日
- 2011.09.04 Sunday
- category: -
-
昨日は、1日、うつうつと過ごした。こんな日は何をやってもダメで、何気なく言った言葉が失言になったり、メールを書いては真意と違う文意になってしまったり。近道をしようと思ったら行き止まりで、結局遠回りになったり・・・。自己嫌悪に陥る。どれもたいしたことじゃないといえばたいしたことじゃない。でも、ボディブローのように気分を暗くさせる。そんな日とて、ご飯は食べる。気分を晴らすために、行ったことのない店に行こうと思い立ち、夕飯に中目黒にある鳥料理の店「嫡嫡(チャキチャキ)」へ。この店の存在は、ちょっと前にグルメな友人から教えてもらった。「唐揚げのコース料理が2000円で食べられる」という。店名の「嫡嫡」は「正統な家系」という意味を持っていて、「チャキチャキの江戸っ子」は「正統な江戸の人」という意味になるそう。そう考えると、この店は、正統な鳥料理店ということになるだろうか。土曜日の夜、21時過ぎということもあってか、店内にはボクら以外には客はいなかった。ビールは「エビス」か「ギネス」。どちらもあまり好きじゃないボクけれど、そんなのはボクの勝手。店には何の非もない。恵比寿近辺にある店には、こういうことがよくある。食事のメニューは基本が例の「素揚げのコース」だった。追加で頼めるものも3、4品あるけれど、ビールのお通しに自家製豆腐とオニオンスライスが出たので、コースだけにする。コースの内容は・砂肝または軟骨の素揚げ・手羽の素揚げ・ももの素揚げ揚げたての手羽とももは、パリッとした表面に、中はジュワッとジューシー・・・みたいな定型文で表現できる。それでも小骨までパリパリと食べられるのはよかった。なんとなく魚の骨せんべいみたい。少し塩味がついているけれど、鳥本来の素の味を楽しむのが基本。物足りない人は、テーブルに常備してあるワサビ塩などをふりかけたりする。ボクはどちらかというとしっかりとした味のものが好きなので、3口目くらいからワサビ塩のお世話になった。(このワサビ塩はなかなかよかった)鳥本来の味を楽しむという意味では、すごくいい。おいしいと思う。ただ、香川の「一鶴」、名古屋の「風来坊」とパンチのある鳥料理になれてしまっているせいか、この店の料理はボクには少し上品すぎた。素揚げ×3というコース構成も、面白いけど少々飽きる。学芸大にはテイクアウトのからあげ専門店「もり山」とかあるんだから、ぜひ、唐揚げの街として、この近辺を盛り上げていただきたい。(別に盛り上げなくてもいいけど)それにしても、やっぱりついていない日だった。というのは、料理のことではない。料理を食べ終わったあと、また「ぶっかけ」られてしまったのだ。片付ける皿なので、被害は大きくなかったのが不幸中の幸い。なんで中目黒ではぶっかけられるのだろうか。アンティ・ロミィの氷水は論外として(いいかげんしつこい!w)引っ越して来てから4件。さすがにひどい。それとも、ボクが挙動不審なのが悪いのかなぁ(うつうつ)。駒沢のカフェではコーヒーかけられたし。やっぱりそうだ、ボクがいけないんだ、そう考え、再びくらい気持ちになる日曜日の午前。
- comments(0), trackbacks(0), -
- 肩すかしの1日 ブルゾン号と
- 2011.09.03 Saturday
- category: 雑談
-
大雨が降る、大雨が降ると、天気予報で毎日毎日言うもんだから、なんとなく、そんな構えですごしているのに、今日もほとんど雨が降らなかった。別に、雨が降ると言われたからって、何かの特別なイベントを中止したり、長靴を履いて出かけたり、ってことはない。傘すら持ってでかけなかった。影響があったとすれば、洗濯したズボンを家の中で干したくらい。それとて、乾きが悪いんだ!って恨み節をはくほどのことでもなく、元来、ボクは半乾きのズボンだって、履きながら乾かしてしまうのだった。でも、なぜだか、どこか少し落ち着かない。肩すかしってこういうものかもしれない。こんなんなら、嵐のライブも普通にやれたのになと思う。ずっとブログで問いかけ続けた嵐のライブチケットは、案の定手に入らず、会社の空気は極めて悪い。今日の空以上にどんよりしている。延期になって行けなくなった人は、ご一報を。思いおこせば、子供のころの天気予報って当たらないのが当たり前だった。天気予報は当たらないものの代名詞、そんな思いがボクの中にあった。こんなに天気予報を信用するようになったのは、いつのころからだろう。俺のことを信じちゃいけないぜ、って時々間違えてみたりするんじゃないか。さて、雨が降るからと、意味もなく家にいた。だらだらと窓辺で作業をしていたら、日光が差して来た。そこで、ずっとほったらかしにしていた自転車を、少しきれいにしてやろうと思い立った。もしかしたらこれから雨が降るかもしれないのに、何もこんな日にやらなくてもよかろうものを、と思わないでもないんだけれど。もう何年も乗っていないボクの自転車。世の中の高感度ピープル、例えば『日経トレンディ』の読者が乗っているような洒落た舶来ものではない。でもメーカーもんではある。日本が誇るブリヂストン社製だぞ。カーデザイナー、ジョルジョット・ジウジアーロがデザインした1985年発売の自転車「ブルゾン」。ジウジアーロは初代ゴルフやフィアットパンダ、いすづ117クーペなど数々の名車をデザインして来た巨匠なのだけれど、実はニコンのカメラや、セイコーの腕時計、象印の魔法瓶なんかもデザインしている。自転車では、ブリヂストンから、この「ブルゾン」と、今は懐かしきデコチャリ「モンテカルロ」の2つをデザインした。乗り心地はけしてよくない。ギアもないし、サスペンションもない。でも、なんだかいいやつなのである。自転車を洗いながら、天気がよくなったら少し乗ってみようかなと思った。ブレーキをかけるとすごい音が鳴るが玉にきずだけど、たまには乗ってあげないと、かわいそうな気がする。もう売ってしまってもいいけれど、欲しい人もいないだろうし。もし、ギーギーならしながら走るブルゾン号をみかけたら、声をかけてみてほしい。でも、ボクじゃなかったらごめん。
- comments(2), trackbacks(0), -
- 松江泰治写真集『OMAN オマーン』
- 2011.09.01 Thursday
- category: オススメ書籍など
-
松江泰治ミニ写真集『OMAN オマーン』(おまーん・おまーん)が刊行でございます。そんな一文で始まるメールが届いたのは8月前半のことだった。メールの発信元は、ボクの敬愛する写真家のひとり、松江泰治氏ご本人である。12時を担当していただき、すばらしい写真を撮っていただいた。その松江さんの新刊が出ると知り、ボクの心は浮き足立った。メールによれば、その本はなんと雑誌の付録だという。しかもその雑誌は『母の友』という、ボクには耳なれない雑誌だった。発行元は出版社に新卒で入った人間なら誰もが知っている福音館書店。あまりに高い初任給から、誰もが一度は受けようかと考える出版社だ。その福音館書店から発行されているこの雑誌は、今号で700号を迎える。記念に、松江さんの写真集が付録としてついているのだった。それにしても月刊で700号とはすごい。単純に計算して60年近く続いていることになる。その本をボクが知らなかったのは、単に無知なだけなのだと分かった。付録と聞いて、別冊が同梱されているのかと思ったけれど、実際にはページを切り出して自分で製本するスタイル。でも、これはこれでペーパークラフトみたいで楽しい。なんていいつつ、ボクは不器用なので、会社のアルバイトさんに作ってもらった。『写真本24h』の豆本も作ってくれた山田さんはとても器用だ。山田さん、ありがとう。豆本を自称するだけあって、完成した本はほんとうに小さなものだった。『写真本24h』は大判なので比べると面白い。さて、肝心の『OMAN オマーン』の出来はといえば、これがまたすこぶるいい。ボクの知る松江さんの作風とは違う写真も入っているけれど、それはそれで十分に楽しめるものだった。雑誌の付録だけに、この機を逃すを入手が難しくなる恐れがある。ご興味のある方はおはやめに。
- comments(0), trackbacks(0), -
| 1/1pages |