- connect auction vol.2
- 2008.03.29 Saturday
- category: event
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日本発の日本初、家具専門オークションとして昨年産声を上げた
コネクトオークション(connect auction)の第二回Webレビューが始まりました。
前回はサファリやら、バザールやらの出品で話題になりましたが、
今回もなかなかの品揃えです。
第二回の出品物を眺めてみて、
まず目につくのが国内デザインのラインナップ。
倉俣史郎、川久保怜(コムデギャルソン)、内田繁など、
意外と知られていない名品が揃っています。
もう一つ、北欧系も充実してますね。
こちらは原宿の某QUICOあたりから出品されたと思われるラインナップ。
この北欧物もそうですが、ほかにも「これはあの店のだな」と思うものが
いくつか見当たりましたw
渋谷の某ショップとか。
で、個人的に気になっているのが、
●Three-legged Chair (Prototype) by SHIRO KURAMATA
●Style #7 Chair by DONALD JUDD
●Barbarella by ETTORE SOTTSASS
あたり。
他にもありますが・・・それは一応、内緒ということでw
ソットサスのは、たぶん某有名エディター&コレクター&投資家(?)の
○本さんの家にあったものだと思われます。
エスティメイトが思ったよりも安い。
柳○さんは、スタイル&資金力こそ違いますが、
モノに関する考え方がボクに近いような気がしていて、
個人的にリスペクトしている方の一人です。
第一回は、オークションの知名度がまだまだ低かったこともあり
思ったほと値が上がらず、外人バイヤーの草狩り場になりかけたようです。
今回はどうなんでしょうか?
前回くらいの値段で動くようであれば、絶好の買い場だと思います。
運慶作の仏像が海外流出の危機にさらされたように、
日本の名品が海外へ出て行ってしまうかもしれません。
ここは一つ、あなたも真如苑になってみては?w
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- BULOVA ACCUTRON × Kishin Shinoyama
- 2008.03.26 Wednesday
- category: 60s design
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以前、別のところでも紹介しましたが、古い篠山紀信の写真集「Shinoyama 篠山紀信と28人のおんなたち」(68年刊)の中に、こんな写真を見つけました。
めちゃくちゃカッコいいっす。
上の写真で女性(Yuri)がくわえているのは、ブローバの誇る音叉時計「アキュトロン スペースビュー」。下の方は残念ながらどこの時計かは分かりませんが、60年代当時に製造されたデザインウォッチ(ファッションウォッチ?)だと思います。
ボクにとっては宮沢りえのサンタフェのイメージが強すぎて、ほかの作品を見る気にならなかった篠山先生ですが、こんなイカす写真も撮ってたんですねぇ〜。
見直しましたw
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- NIVADA DEPTHMASTER
- 2008.03.24 Monday
- category: 60s design
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真偽のほどは定かではありませんが、ミリタリーウォッチが来ているそうです。
ただし、ミリタリーウォッチと言っても、グリシン「エアマン」や、オリジナルの「パネライ」のような、ミルスペック付きのモノホンじゃないとダメ、ということもないらしく、黒文字盤で「なんとなくミリタリー風」でありさえすれば良いとのこと(笑)。
雑誌「Free&Easy」あたりに発信源がありそうな、このミリタリーウォッチブーム(そんなもんが本当にあるのかどうかも知りませんが)。
自分も乗っかろうかと、コレクションの中から黒文字盤の時計を探してみました。
ところが、該当する時計をあまりに持っていないので、正直自分でもびっくり(笑)。
いや、黒文字盤というだけなら、ないわけではないのです。
例えば
シャウアーの「DIGITAL2」とか・・・、
SEIKOの「サーミック」とか・・・(笑)
イギリス軍やNATO軍に正式採用されている「7A28」ムーブメントと搭載した時計もたくさん持っているのですが、そのほとんどがジウジアーロシリーズなので、まったくミリタリー風味がありません。
そんな中、唯一「ミリタリー風!」と言えなくもないのが、ジウジアーロシリーズ同様、○○マスターの名前を持つこの時計、ニバダ「デプスマスター」(NIVADA DEPTHMASTER)です。
松本零士氏が愛するオリエント「KING DIVER 1000」とまったく同じケースが使われた時計ですが、実はこちらの方が元ネタ。このニバダの1000mダイバー(絶対に1000メートルも潜れないと思いますが・・・)に使われたケースを、後にオリエントが輸入して作ったのが、先のキングダイバーなのであります。だからというわけではないでしょうが、やっぱりこちらの方がカッコいいです。
ニバダやオリエント以外にも、この「1000mケース」を使っているメーカーがあるようで、サンドズ(SANDOZ)名のものも発見されています。
ということで、なんとかなりそうな1本を見つけたボク。
今年の春は、この時計して、軍人気取るぞー(笑)
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- リンク貼らせていただきました
- 2008.03.24 Monday
- category: オススメ書籍など
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サイドバーの使い方を徐々にマスターしてきましたw
いくつかのHPにリンクを貼らせていただきましたのご紹介させていただきます。
ANTIQUE & MODERN WRISTWATCH
マクロロン主宰、UTさんのHPです。日本が世界に誇るモダンウォッチの老舗サイト。ヤフーやグーグルで珍しい時計について検索していると、知らず知らずのうちに必ず訪れてしまう、モダンウォッチ界のウィキィペディア。というとさすがに言い過ぎかもしれませんが(笑)、海外コレクターも必ずチェックするハイレベルなサイトです。国内モノが特に強いですが、海外ものでも相当な珍品を見る事が出来ます。
+-MondeWatch-+
UTさんと並ぶ、日本モダンウォッチサイト界のドン、Dr.HALのサイトです(お医者ではありません)。UTさんの方が「黒いサイト」と呼ばれるのに対し、HALさんのサイトは「黄色のサイト(またはオレンジのサイト)」として国内外のコレクターから愛されています(見た目そのままですが)。見たことのないレアな時計のコレクションは必見。特にLEDコレクションでは、世界でもトップクラスでしょう。
マクロロン
我々マクロロンの公式HPです。最近は活動が滞っておりますが、そろそろ第三回マクロロン展でもやりたいですね〜。会場を提供していただける方、スポンサードいただける方、ご連絡をお待ちしております(笑)
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- 時計を売る
- 2008.03.19 Wednesday
- category: 雑談
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自分のコレクションを整理する際にはもっぱら知り合いに譲るか、ヤフオクで売るかのどちらかです。なので、質屋やリサイクルショップでは買うばかり。
先日も、知り合いに「これから質屋に行く」と告げた際、
「何を売るの?」と聞かれ、一瞬、彼が何を言っているのかが分からなくなりました。
それくらい、自分の頭の中では質屋は「買うところ」という意識が強くあります。
そんなボクが初めて、腕時計の中古ショップで時計を売ることになりました。
知人から売って欲しいと頼まれたのは「BEDA&CO NO.8」。
女性誌などでも紹介され、一部のファッションピーポーに人気のパネライ似の時計です。自分が欲しいものならば、その場で買い取ってしまうのですが、この手の時計はあまりピンとこない。となると、誰か買い手を探すしかありません。
ところが、残念ながら、自分の周りにも欲しそうは人が見あたらない。それならヤフオクで売ろうかと思ったものの、売り主は出来るだけ早く現金がほしいという。
そこで、前々から興味があった「店売り」を体験してみることにしました。
まず持ち込んだのは、渋谷の質屋「楠本」。
ブランド品もたくさん扱っている店ですし、BEDAがここの店頭に並んでても違和感がない。ならば、高く買ってくれるに違いないということで、早速鑑定してもらうことに。
初めて入った「買い取りブース」には、思った以上に売りに来た人がいました。早速、女性店員にブツを見せたところ、「ああ時計、なら○○さんだ」と、奥から男性を呼び出す。
男性「えーっと、これ何?」
ボク「何って、BEDAですけど」
男性「ああ、ベダね。3万円くらいかな」
ボク「・・・」
いくら、新興ブランドとはいえ、それなりに評価されているブランド。定価は確か40万円以上します。それが3万円・・・。最初の発言から考えると、もしかしてBEDAを知らない? という感じも受けましたが、そこは相手も百戦錬磨。知らないふりして安く買っちゃおうという魂胆が透けて見えなくもない。
さすがに、3万円なら自分が買ってヤフオクに出した方が得なので、ここでは売らず、別の店へと向かうことにしました。
次に目指すは、日頃買いに出かけることが多い宝石広場。
販売ブースのある4Fを通り過ぎ、5Fの買い取りブースへエレベーターで向かいます。(どうでも良い話ですけど、あそこのエレベーターの鏡は太って見えますよね)
楠本とは違い、隣が見えないよに目隠しがされた買い取りブース。呼び鈴をチリンと鳴らし、これなんですけどとブツを差し出す。
楠本での辛い体験が心によぎり、知らず知らずのうちに、目はふせがちに。非常に自信なさげな挙動を見せてしまいました。
対応してくれた若い男性は
「中の機械を見せてもらいます」
と言って奥へ入ってきり、なかなか出てきません。
しばらくして出て来た男性の顔は、心なしか暗い気がする。
やっぱりここもダメか・・・。
そのとき彼は言いました。
「箱とギャランティーってありますか?」
ないぞーそんなもん。
我々のようなコレクターや、「何でも鑑定団」を欠かさず見ているお父さん方ならつゆしらず、カタギの人にゃあそんなもんを大事にとっておく習慣はありません。
こりゃダメだと諦めかけた瞬間、
「ないんですか・・・じゃあ17万円が目一杯ですね」
ええええええええええええ!!
いただけますか17万円! まじっすか!
この金額が実際のところ高いのか安いのかは知りませんが、予想外の高額査定に驚きました。売り手に報告後、その場で売ることに。
そのまま帰ればいいんですが、せっかく来たんだし、どうせなら「店売り」の現状をもっと知っておきたい。そこで、それじゃあこんなのいくらで買ってくれるのさ、と別の時計を鑑定してもらうことにしました。
1本目は、その日にしていたチュードルの二つ目クロノ。こいつは、最近人気急上昇中だし、いい査定してもらえるでしょう。・・・と思ったのは大きな間違いでした。
結果は
「これは買い取れませんね」
と、つれない返事をいただくことに。
正規代理店がなく、真贋鑑定も難しいこの辺りの時計は買い取りすらしてくれないそうです。ふーん、そんなもんなのね。業者さん的には、今一番おいしい時計のような気もするんですけど。
チュードルでも80年代以降のものなら買い取ってくれるということ。ならばと、次鋒に選んだのはチュードルのイカサブ。
じっくり眺めた男性は一言。
「6万円くらいなら・・・」
まさにキン肉マンフェニックスチームの次鋒レオパルドンのごとく、即座に撃沈。
どうしちゃったの、宝石さん! 真贋鑑定できないから買い取れないというならまだしも、6万円とは・・・。
話によると、宝石広場では現行中古はよく売れるが、アンティークは動きが悪く、高い値段では買い取れないとのことでした。言われてみれば、確かに最近、販売コーナーでもアンティークの入荷はほとんどありません。さすがにこれでは買い取れないでしょうね・・・。
それにしても、時計と売る店によってこれほどまでに値段が変わってしまうものなんですね。以前に紹介したITEMなら、逆にこの手のオールドモデルは高く買ってくれるのに・・・。
なかなか楽しい体験ができました。
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- 沢木耕太郎 OFF-ROAD
- 2008.03.10 Monday
- category: オススメ書籍など
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腕時計とはまったく関係のない話。
「日経おとなのOFF」で沢木耕太郎の新連載が始まりました。
OFF-ROADという名のその連載は、
沢木さんが、今行きたい場所に旅をするというものです。
ボクは沢木作品のほとんどを読んでいます。
なかでもお気に入りは『無名』『檀』。
そして月並みながら『深夜特急』ということになりましょうか。
やはり『深夜特急』は特別な存在ですね。
もちろん、初めて読んだのが、まだまだ感受性の強い若い頃だったということも
自分の中での評価の高さに影響しているのかもしれません。
しかし、それにしても面白い。
学生時代にはバックパックのポケットに忍ばせて旅に出ましたし、
今でも、香港なんかに行くときには、ついつい読み返してしまいます。
『深夜特急』の魅力は、仕事(取材)という概念を抜きにした
「自分のための旅」を題材にしているところにあるのかもしれません。
その後に書かれた数多くの「旅もの」も十分に面白いですが、
やはりどこか物足りない気がしないでもない。
自分の人生における貴重なオフの時間を費やせる旅。
それこそが本当の意味での「旅」だからではないでしょうか。
「OFF-ROAD」は、沢木さんのオフの旅がテーマなのだそうです。
沢木さんが今一番いきたい場所、一番したい旅がそこに描かれるとしたら、
自分のような、既に大人になってしまった少年たちにとって、
新たな『深夜特急』になるのかもしれません。
これからが非常に楽しみです。 - comments(0), trackbacks(0), -
- Pierre Cardin Watch Part2
- 2008.03.09 Sunday
- category: Designer’s
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FMWVに行ってきました。
このイベントはもともとコレクター同士の交歓(交換)会といいますか、
腕時計専門のフリーマーケットな訳ですが、最近では、プロの方々が
しばしば仕入れにやってくるようになりました。
銀座の超有名店とか、川崎の超有名店とか、一流店の人が朝から来ては
ボク以外のブースから何本か買って行きますw
マクロロンブースは初心の通り、
マクロロニック(※)な時計の普及、促進だけを目的に
変な時計を紹介しているだけ・・・
それくらい、売れないのです(笑)。
さて、そんなことはさておき、今回はマクロロンメンバーの
HALさんに「Pierre Cardin Watch」のコレクションを見せてもらいました。
以前にもボクのコレクションを紹介しましたが、
HALさんのはもっとスゴいです。
まずはこれ。
ガンダーラ井上氏よりHALさんが譲り受けたこのアクリルモデルは
ピエールカルダン・アクリルコレクションの中でも特に重要なモデルです。
前の松坂屋の祭事でも販売されてましたが、驚くような値段でした。
アクリルを3枚重ねたこの時計は、前から見てもスゴいインパクトですが
さらにヨコから見ると表示面が斜めに立ち上がっていることが分かります。
ホント、いい仕事してますね〜。
アクリルモデル以外にもパンチのある2本を見せていただきました。
上写真はドーム風防モデル。
下のはプラスチックの板がサイドに飛び出しているモデル。
どちらもカルダンらしい、遊び心のある時計です。
日本ではあまり見かけないカルダンウォッチ。
お持ちの方はぜひご一報を。
※「マクロロニック」は「マクロロンが好きなタイプの」意味です。
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- DOCOMO L705iX
- 2008.03.09 Sunday
- category: 雑談
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やっと、携帯を買い替えました。
これまでずっとノキアを使っていたのですが、
これがほんとに使えない。
例えば写メ。
画像はアラアラ出し、何より撮った写真をメールで
人に送ったりできない。
つまり撮った写真は自分の携帯の中で楽しむのみなんです(苦笑)
充電器も他の機種と違うので
旅行に行ったときに忘れちゃったりすると大変。
ドコモショップで予備を買おうと思っても、
店頭には在庫がなく、お取り寄せになる・・・。
海外メーカーもので、海外旅行に強いという触れ込みでしたが、
実際、香港旅行の際には着信はあるものの、なぜか会話ができない
というトラブルに・・・。
そして何より許せないのが、携帯の機能を使っている途中に
「メモリ不足です」
という表示が出て、次に進めなくなること。
携帯でメモリ不足ってどういうこと???
購入した最初のうちは1週間に1回ほどこの「メモリ不足表示」が
出たのですが、最近では毎日数回。
通常は一回電源を切るともとに戻るんですが、
ここ1ヶ月程は電源を入れ直した瞬間、
画面が立ち上がるのと同時にこの表示が出ることもあって
さすがにげんなりしておりました。
ここ半年ばかり買い替え機種を探していたのですが、
なかなか欲しい機種が見つからない。
自分の場合には、カメラもそれほど重視しておらず、
着メロ、着ボイス的なものも興味なし。
テレビは見ない。音楽も聴かない。
ただし、ギミック付きは好きなのでそういう
機能があるものは嫌いじゃない。(実際、これまでも
ソニーの音楽携帯の1stとかラジデンとか使ってました)
基本は見た目が好みで、電話とメールとiモード(ヤフオク入札)が
普通に使えれば問題なしということです。
モトローラも悪くはないんですが、周りで持っている人が多いし、
その使っている人の多くが使いにくいと批判する
(まぁ使い勝手を日本メーカーのものと比べてはそもそもいけないのですが)
そこで、705iシリーズ、905iシリーズが出そろうまで待つことにしました。
このラインナップの中でまず目についたのがD705i。
三菱電機という渋さですが、ボクの好きなバータイプだし、
カラーリングもスペーシーだし、悪くないかと。
しかし、現物見るとやや安っぽいんですよね〜。
悪くはないが、決め手に欠けるという印象です。
三菱が携帯端末から撤退ということもあり、
今回はパスすることにしました。
次に話題のP905i(VIERAケータイ)。
いわゆる「Wオープンスタイル」が人気で、
色によっては売り切れが続出している機種です。
これのピンクゴールドはなかなかまとまりがよい。
テレビとか絶対ケータイなんかでは見ないのですが、
開閉の動きが面白そうなので、店頭で色々いじってみることにしました。
結果はNG。
理由はWオープンの肝となる、ヨコ開きの際の操作性でした。
片手で縦横自由に開けしめできると思っていたのですが、
ヨコを開けるときには、スロットを引きながらでないと開かない。
これじゃあ楽しさ半減です。
もう諦めてAQUOSケータイ辺りで無難に済まそうかと思った瞬間。
見つけてしまいました、意中の機種を。
「L705iX」。
これ、イケテます。
シンプルなのであまり目立たないですが、
ソリッドな素材感は非常に雰囲気あり。
持った感じの重みもナイスです。
機能はシンプルながら、データ通信は高速だし、
デザインも近未来的でボク好み。
液晶もノキアとは比べ物にならない。
(ノキアと比べるのがそもそも間違いですが)
腕時計でも同じですが、液晶というのは
画面に厚みを感じるものほどチャチイ。
VENTURAのデジタルのように金がかかっている、
本気で作られた液晶と、安物の中国製デジタルを比べるとよく分かります。
その点、NOKIAはひどいです。
「VENTURA DEGITAL」
まだ買ったばかりで使用感は分かりませんが、
また近いうちにご報告できればと思っております。
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- Paul Smith watch
- 2008.03.02 Sunday
- category: Designer’s
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「サンプリング」という言葉があります。
本来は音楽の世界で使われる言葉で、過去の曲や音源の一部を引用し、再構築して、新たな楽曲を製作する音楽製作・表現技法のひとつです。
実はこのサンプリングという技法は、90年代以降、音楽以外の様々な分野でも広く使われるようになりました。
例えばマンガ。
この世界にサンプリング手法を取り入れ、カルトな人気を得たのが漫画太郎です。画太郎先生は、自分で書いたコマを一つの作品の中で何度も何度も使い回す、一見すると手抜きとも思えるようなサンプリングで、漫画界に新風を巻き起こしました。
一方、アパレルの世界で、最も成功したと言える一つの例がベイシング・エイプですかね。今では中高生から志村けんまで様々な階層の人が着る「日本の人民服」みたいになったあのブランドです。
プロデューサー(でしたっけ?)のご存じニゴさんは「(c)」つけて、自分の名前を著作権管理しているわけですが(雑誌などでインタビューの中でも初出ではほぼ必ず(c)がついてます。入れないと取材を受けてくれないらしいっす)、実は、ノーウェアオープンからしばらくの間売っていたのは、古着のデザインをそのまま使って素材だけを今風に変えた「サンプリング商品」でした。
もう10年近く店に入ったことがないので、いまがどうなのかは知りませんが、当時は数少ない商品(戦略的に店には商品がほとんど置いてなかったんです)の中に少なからず「これって、サンプリングというより、完全にパクリでは・・・?」なんてのがありましてね。
他人の著作権には割と寛容な方のようですw
もう一人、サンプリングで成功したアパレル界の巨人がポールスミス(Paul Smith)氏です。ボクはよく知らないのですが、この人、デザイナーなのにデザイン画というのを書かない(書けない?)らしいです。
じゃあ、どういう風にデザインしているかというと、ベイプ同様、自身がコレクションしているヴィンテージウエアやら、アンティークやらのデザインを、サンプリングしているようなんですね。
腕時計は某日本メーカー・シチ○ンが、その製造を担当している訳ですが、あるときシチズンに、ポール側からこんな要請があったそうです。
「60年代のピエールカルダンのような時計をデザインして欲しい」
そこでシ○ズンのデザイナーはピエールカルダンの時計のデザインを意識しつつ、そのテイストを残しながら新たなデザンを構築したそうです。
ところが、それを見たポール側は納得しない。
彼らはカルダンの腕時計の現物を持ち込み、
「これを作ってくれ」
と頼んだのだそうです。
つまり、余計なことをせずにこのままを作れと。
結果、生まれたのがこの時計。
う〜ん、
カッコいいとは思うんですが、元ネタ知ってるだけに心から愛せない感じです。
まぁなんでしょ、自分の彼女の元カレみたいな感じとでもいいましょうか。
その人物がどんなに良い奴でも、どこかわだかまりがあるという・・・。
例えが間違っている気もしますけどw
でも、ポールには侮れないデザインもあるんですよ。
例えばこのサイドビューモデル
ビンテージにも、マクロロンの名前の元となったジラールペルゴの「キャスケット」やら、アミダ「デジトレンド」やらとサイドビューの時計は数多くありますが、その多くがデジタル(メカデジ含む)表示。アナログ3針でサイドビューのスタイルを持っているものは非常に少ないと思います。デザインを再構築しているという意味で、こちらはパクリではなくサンプリングと言えるのではないでしょうか。
そんでもって、この鉄仮面も人気のモデル。
単なる3針ですが、デザインの工夫で「レトログラード」のように見せています。まぁこの仕掛け自体は、ヴィンテージウォッチにいくつかありますので、やっぱりサンプリング商品の一つですね。
日本では、ちょっと前に発売されていた「ファイブアイズ」やら、現行のクロノなんかが人気高いですが、海外では今回紹介したような初期ポールはけっこう人気が高いようです。買うなら今がチャンスかもしれません。
最後に一言。
サンプリングをする際には元ネタへの敬意を忘れてはいけません。
一歩間違うと以前取り上げた「UA×Motel」みたいなのは悪質なケースになりかねませんから、メーカーさんにはくれぐれも注意して欲しいものです。 - comments(0), trackbacks(0), -
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