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ボクらが山を目指した理由
category: 登山
 


「スイスへ山を見に行きたい」

それが若い頃からの夢だった、と義母が言ったのは、ちょうど1年ほど前のことだったと思う。理由はとてもシンプル。テレビで見た目前の山に心を揺さぶられたのだと言う。その突然の告白に、ボクらは正直ちょっと驚いた。義母は自分からやりたいことをめったに主張することがなかったからだった。

大病を患い、ここ5年ほどですっかり体力が落ちてしまった義母。大好きな趣味などもなく、体の不調もあってか、強い希望を口にすることがめったになくなった義母が見せた一瞬の目の輝きに、ボクらはその小さな夢をなんとかかなえたいと思った。

行く前から相当な困難は予想していた。
周囲の人も「それは無理だろう」と本人や義父に言ったという。だから、出発前、最初に不安を口にしたのは義父だった。本当にこの体で、スイスの山の上まで行けるんだろうか、と。

実際、旅の後半には体調を崩してしまい、スケジュールの変更を余儀なくされた。それでも、始めから予定などあってないような旅である。あらかじめ決めた旅程を、そのときの体調、当地の天候、体力的・施設的可能性を探り探りしながら山を目指した。

そして、義母は無事マッターホルンを目にすることができた。しかも車椅子の身にも関わらず、富士山よりも高い標高4000m近い場所まで登って。

旅の写真の整理はまだこらからだけれど、いま小さなモニターで見ているだけでも、山を前にしたときの笑顔の良さは歴然としている。少女のように屈託のない笑顔。久しぶりに心の奥から湧き出ているような表情だ。

妻にとっても、義父にとっても、そして何より本人にとっても、決して楽な旅ではなかったと思う。一歩進んで半歩下がる。半歩下がってぐっと2歩進む。そんな旅だった。それでも、「行って良かった」と心から思っている。


次は自分の親だろうか。
まだ体が元気なうちに、近場でいいから連れて行きたい。幸運にも、1人娘の妻とは違い我が家は3人兄弟だから、3倍のエンジンで前に進むことができるだろう。放蕩の限りを尽くした末息子は、今更ながらに、親の人生の後半は、楽しいものであってほしい。柄にもなく、そう願っている。




仕事の仲間にはいろいろと迷惑をかけてしまった。
ごめんなさい。
皆さんのおかげで、小さな親孝行を実現することができました。


そしてシュンギクにも礼を言いたい。その命をかけて、ボクらの背中を押してくれたのだから。
ありがとう。


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シェラネバダへのアタック
category: 登山
 

とうとう、この日が来てしまった。

ボクのような経験の浅い人間に、
こんなチャンスが巡って来るなんてことは、
微塵も考えたことがなかった。



憧れのシエラネバダへのアタック。



まさかそんな夢のようなことが現実になるなんて、
ボクには、今でも少し信じられないところがある。



最初にシエラネバダという言葉を聞いたのは、大学生の頃だった。
当時、アウトドアブランドのウエアを好んで着ていたボクは、
高円寺にあった古着屋で、1枚のパタゴニアのTシャツを手にした。
そのTシャツには、水彩で書かれたヨセミテの絵がプリントされていた。
描いたのは日本人画家の吉田博。
ボクはすっかりその絵の虜になり、気がつけばそのTシャツを
毎日のように着るようになっていた。



そんなボクにとって、長い間、
シエラネバダは憧れの対象でしかなかった。



それでも、「いつかは自分も」。



という思いがなかったわけではない。



しかし、それが簡単でないことは、
ボクにだって十分に理解することができた。



ところがである。
そのチャンスは、突然、しかも身近なところからやってきた。
チャンスとは、本来そんなものなのだろう。
近所である中目黒を歩いているとき、その出合いは訪れたのだ。



意外と思う人が多いと思うけれど、
中目黒は、山との結びつきが強い街である。
山好きお洒落ピープルが集うマウンテンリサーチやバンブーシュートに加え、
古書店カウブックスには、串田孫一をはじめとする山岳文学の傑作が並ぶ。



そんな中目黒がボクとシエラネバダを結びつけてくれたのは、
ある意味で必然だったのかもしれない。



休日の夕方、ボクは中目黒から大橋方面へと向かっていた。
目指す目的地は出口屋。
この界隈では名の知れた酒屋である。


店内に入ると、ボクはワインコーナーを抜け、
ビールの並ぶ冷蔵ケースの中に目をやる。
そのとき、隣の家人がつぶやいた。



「シエラネバダだ」



そう、目の前に鎮座していたのは、まさにまぶしいほどに光り輝く山の頂
的な存在、幻のビール「シエラネバダ」だった。


日本ではほとんど知られていない。
その理由は、製造元が日本嫌いなのか、それとも国外に出すのが嫌なのか、
とにかく、日本の輸入代理店がどんなに頼んでも、
決して輸出されることのないビール。
米国人のアイデンティティであり、憧れ。
その存在はまさにビール界のシエラネバダと言っても言い過ぎではない。
(そのまま!)



聞けば、出口屋では、米国人の営むレストランが、代理店を通じて
こっそり輸入しているものを分けてもらっているという。



ボクは迷った。

ボクのような、素人が、この憧れの地に足を踏み入れていいものだろうかと。


しかし、ボクはやらねばならなかった。
いつかヨセミテを登頂する日のために、
いまから、そのテイストをしっかりと頭と舌に
焼き付けておく必要があるのではないか!と思ったのだ。



ボクはポケットにあった、なけなしの500円を握りしめる。


もう、迷いはなかった。
そこには2種類のシェラネバダが並んでいたが、
アルコール度数的に、挑むべきルートは1つに限られていた。



ペールエール。




それ以外の、もう一方を飲んでしまった場合、最後まで飲み干すことなく、
ソファでビパークすることになりかねない。


次の日から、出張。

アルパインスタイルを良しとするボクには、
こんなところで、ビパークしている余裕はなかった。
単独無酸素で挑むボクには、起こしてくれる仲間はいないのだから。


もちろん、難関コースからのチャレンジに未練がないわけではない。

いつかはボクだって、と思う部分もある。

しかし、アルコール度数は低いにこしたことはない。


シエラネバダは決して甘くはないのだ。
フルーティではあるけれど、その味わいは複雑なのである。


しかし、かなり旨いね、このビール。









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MT RAINIER DESIGN
category: 登山
 
蔦屋書店が出来てから、代官山のヒトの流れが大きく変わった。

ここ数年、テナントが入らないビルが増殖し、
「終り感」の強かった代官山も、
急激に元気を取り戻しつつある。

中でも、旧山手通りと、それと平行して存在する
裏旧山手地域には、新しい店舗もでき、驚くほどヒトがいる。

もう随分前、同潤会アパートの跡にアドレスができたときは、
「お台場みたいだ」と思ったけれど、いまの代官山は
まさにお台場並みの観光地になった。
それがいいかどうかはわからないけれど、元気がある様子は悪くない。
しかも、このエリアはアドレス付近と比べれば随分と雰囲気もいい。
蔦屋が高層にしなかったのもこの雰囲気の良さを担保している。
エグザイル化が進む中目黒なんかよりは、断然いい感じだ。



本屋は儲からないけれど、ヒトは集まる


そんなことを痛感させられた。





で、久々に代官山で買い物をした。

大学時代には、ほぼ毎週この街を訪れては
古着屋やらハリウッドランチマーケットなんかを徘徊していたわけだけど、
ここ最近は、必要なものがあるときに探しにくるくらいで、
ぶらぶらと理由もなく店を覗く機会は随分減ってしまった。

でも、先日、ランチ(昼食)で来た際に見かけた鞄がどうしても欲しくなって
散歩がてら向かうことに。


訪れた店はOKURAのヨコというか、ハイスタの向かいといかに出来た店。
建物のサイズと比べ、店内は妙に長細い。
聞けば、ここもランチ系列(昼食ではなくHRMの方)だという。


買ったのはこちら。



MT RAINIER DESIGNのバックパック(33L)


シェラと同じ60/40ファブリック(懐かしい!)を使っていて、
縫製はグレゴリーやパタゴニアと同じ工場を使っているという。

個人的には底が革でなくてもよかったのだけれど、
色とアンシンメトリーのサイドポケットの様子が気に入ってこれにした。



今年の夏はこれを持って山に行きたいなぁ。








蕎麦でも食べにw





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穂高へのアタック
category: 登山
 

吉祥寺のOUTBOUNDで行われている
五十嵐隆裕さんの写真展示を見に行ったあと、
阿佐ヶ谷へと向かう。

目的は「穂高書房」へアタックするためだ。


山関係の本ばかりが並ぶ専門古書店「穂高書房」。
その存在を知ったのは、中日が勝った日のスポーツニュース以外で、
ボクが唯二つ、必ずみるテレビ番組の1つ、
「モヤモヤさま〜ず」でであった。

(ちなみにもう1つは「開運!何でも鑑定団」。
我が家はテレ東率が極めて高いのである)



阿佐ヶ谷の駅を出ると、線路と平行して走る商店街を進んで行く。
どら焼きで有名な「うさぎや」(最初「うなぎや」と読んでしまい、
「うなぎや」って名前の和菓子屋ってシュールだなぁ、さすが阿佐ヶ谷、
と変な感心をしてしまった)を通り過ぎてしばらく行くと、
既に文字が消えかかった「穂高書房」の看板が見えて来る。

店構えはかなりシュール。
店内には椅子に座った常連らしい客が確かにいるのだが、
その人の会話相手である店主は、声は聞こえど姿は見当たらない。

声のする本の山に目をやると、その隙間の向こう側に、
店主の姿をかすかに確認できた。
それはまさに、雲の切れ間からわずかにのぞめる山頂。
「山な人々」にとってはたまらないシチュエーションだろう。
もちろん、我ら「澁谷マウンテンクラブ」にとっても喜びはひとしお。
かくして、「公認書店」のステッカーを貼ったのであった
(そんなのないけど)。


店内には、串田孫一、深田久弥、田部井淳子など、お歴々の名前が
書かれた書籍がちらほら。
山関係に加えて、「写真の撮り方」的な本もそれなりの数が揃っていた。
やっぱり山にカメラはつきものですからね。

買うべき本を選び、店主に値段を尋ねるも、
すぐには分からず、本を渡せという。
しかし、渡そうにも、正面ルートからでは
垂直にそびえる本の壁が行く手をはばむ。

さらに、店舗面積に対してあまりに多い書籍数に、
店内はもはや酸欠状態。3000m級の酸素濃度である。
高度順応をしていないボクらにはかなりハードだ。
背負った荷物を置きたくても、ビパークする場所もなく、
あえなく正面ルートからの登頂を断念。
店の外を通る迂回路を選択して、裏口から本を持ち込むことにした。

店内が異常に狭い穂高書房の攻略には、
無酸素単独で挑むアルパインスタイルがいいのは間違いないが、
さすがにボクのレベルでは、まだまだ制覇は難しかった。
残念だ。



それでも、最後に山頂の写真をパチり。



気さくで、とってもいい人でした。

ちなみに買ったのは『ナンガ・パルバート単独行』の初版。
ちょっと高かったけど、まぁ、入山料ということで。










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どうも勘違いしているようだ
category: 登山
 

どうも勘違いしている方が多いようだ。

ボクの高尾山登山を、単に食べてるだけだとか、

たいしたことがないとか、


そんな風に思っている人がいるらしい。




まぁ、確かに、ギャチュン・カン北壁やチョ・オユー南西壁なんかと比べれば、

かなり楽なルートであることは間違いない。



しかし、皆さんが思っているほど、楽なものではないのだ。




誹謗中傷は、この写真を見てから言ってほしい。




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速報 高尾山登山
category: 登山
 

壮絶な戦いだった。


もうダメかと何度も思った。




名峰、高尾山への挑戦。




しかし、SMC(渋谷マウンテンクラブ)を率いる者として、

今回だけは、どうしても諦めるわけにはいかなかった。





残雪が随所に見られる険しい山を克服できたのは、

第一に、山を愛する熱い思い。

そして、小さな歩幅で一歩一歩進むという登山法を習得していたからだ。
(NHK講座「はじめての登山」で学んだ)




ここで、この登山の全行程を文字にしたいところだが、

さすがに、これだけのハードな山をクリアした後では、

ボクの体力にも限界がある。




なので、今日のところは写真のアップで速報に変えさせていただければと思う。


ネコの目のように刻一刻と変化する山の表情。


そして、その壮絶なる高尾山登山の真の姿を、知っていただければ幸いだ。












































熱いぜ、高尾山。

君の登山ごころも、もう沸騰してしまったのではないか!?






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SMC 恵比寿ミーティングの報告
category: 登山

昨夜は恵比寿で餃子ミーティングだった。


SMC(渋谷マウンテンクラブ)の女子部員とのミーティング。


となれば、とうぜん、お店は恵比寿餃子の名店「チョモランマ」
なりそうなものだが、現実はそれほど、簡単ではない。


チョモランマは世界最高峰の山。
しかも、季節は冬である。
冬山の怖さは嫌というほど身にしみている(沢木耕太郎さんの『凍』で読んだ)
そんな冬のチョモランマに、高度順応もせずに挑むほど、
ボクは自信家ではない。




ということで、チョモランマへと連なる店々の1つ、
話題の「安兵衛」へと向かった。
餃子界の高度順応だ(謎)。








餃子を楽しむ懇親会とはいえ、そこはSMCのメンバーばかりの集い。
自然と話題は山の話になる。


「山の前日は力が出るから餃子みたいな炭水化物をとった方がいい」
「いつもはダンナに荷物を持ってもらうから、私はアルパインスタイルじゃない」
「彼氏ができると、アルパインスタイルを貫けない気がする」
「やはり合宿が必要だ」
「Sさん(会社の独身男子)は実は登山家だ」



女性登山家ならではの山バナ(山の話)が続く。



そして、話題はこれまでのボクの登山歴へと移っていった。



ボクをよく知る人たちからすると「意外!」と思うかもしれないが、
実は、登山歴はあまり長くない。
最初の登山が大学3年のときだから、まだ15年くらいか。
登った山の数だって、石川直樹さんなどと比べると驚くほど少ない。

それでも少しはメンバーの役に立つだろうと、
ボクは乏しい登山経験の中から話をした。


ちょうどいい機会なので、ボクの登山について、
ここでも2つばかり話たいと思う。

1つ目はボクが最初に登った富士山の話。
そして、もう1つはSMC発足のきっかけともなった御岳山。


これがボクの登山経験のすべてだ。


近く、この場を借りて文字に残したいと思う。



読みたい人は「いいね!」を押すといい。
または、会社で早く書いてほしいと直訴しよう。
そうしないと、たぶん、なかなか書かない。

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